内政部国立公園署金門国立公園管理処(以下、金管処)は、伝統建築や軍事営区の修復・活用の成果を高め、民宿・売店事業者の経営力を強化し、官民パートナーシップを築いて金門の文化資産をともに守ることを目的に、民国98年より標租民宿・売店の指導・評価を実施しています。サービス品質の向上、脱プラなどの環境配慮、持続可能な観光の推進に取り組み、優れた事業者には金質賞・銀質賞を授与しています。
金管処によれば、民国113年度の評価には72軒の民宿と14軒の売店が参加し、評価委員による現地査察と総合審査の結果、すべて合格。この中から金質賞・銀質賞の受賞者が選出され、取り組みが高く評価されました。
受賞民宿は、伝統建築の丁寧な保全と、客室・ホールの工夫を凝らしたしつらえが際立ちます。ホスピタリティに加え、自転車エコツーリズムの推進や地域活動への参画にも積極的。音楽会、舞台公演、子ども美術キャンプ、親子向け教育トーク、集落ガイドツアーなど多彩なプログラムで、来訪者に地域の文化と生態への理解を深めてもらっています。
受賞売店は、金門産の食材を用いたメニュー開発や、金門らしさを活かした文創商品の企画に取り組み、脱プラ政策への賛同として「獺金杯」の普及やリユースカップの自主導入も推進。さらに軍事トーチカを芸術展示空間に再生し、生態保全の理念を取り入れるなど、巧みで多様な経営が評価されました。遊憩情報の詳細は金門国立公園公式サイト[連結]をご覧ください。
金管処は、民宿・売店の持続可能な経営モデルを継続的に推進し、地域産業との協働によって地方経済の活性化、コミュニティの合意形成、集落文化の継承を図ります。これにより、金門国立公園の伝統建築や軍事営区の保存・活用理念をより多くの来訪者に伝えるとともに、持続可能な開発目標(SDGs)のうち、第8目標「雇用と経済成長」、第11目標「持続可能な都市」、第12目標「つくる責任 つかう責任」の実践にもつなげていきます。