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心優しい市民が通報した網に掛かったチョウゲンボウ、順調に自然に帰る

日付
2020-01-06
金門国家公園は、2019年12月31日午前、地元のベテラン愛鳥家である接許進西氏から、瓊林河口付近の農地の防鳥網から貴重な二級保護類野生動物である「チョウゲンボウ」を保護したとの連絡を受けた。金門県野生動物救援保護協会の王獣医師が診察したところ、やや痩せてはいるが明らかな外傷はなく、当初は餌を食べようとしなかったものの、強制給餌をして丸一日世話をすると、自力で餌を食べ始めた。体つきも次第に太り回復し、自然に放しても十分に飛べるだけの力があると判断され、今年(2020年)1月3日、できる限り早く捕獲された場所付近で自然に返されることになった。

中華鳥会の2017年台湾鳥類名録にある金門地区の渡り鳥の項によれば、チョウゲンボウは、金門の一般的な冬鳥ではない。しかし、eBirdデータベースのこれまでのデータ統計によれば、毎年7月から翌年の4月にかけて観察記録があり、金門で越冬するチョウゲンボウの群れが増えていることが分る。チョウゲンボウは、主にひらけた草原、河口、沼沢、農耕地等で活動し、空中で静止して獲物となる小型の鳥類や齧歯類、昆虫を探し、捕食している。


傷ついた野鳥を大自然へと返すという機会は、金門地区の鳥類を脅かしている脅威について知ることでもある。金門国家公園は、2019年から金門県野生動物救援保護協会に委託して傷ついた鳥類の保護活動を行っているが、昨年(2019年)の鳥類保護件数は220件あり、その内、巣から落ちた例が60件、交通事故が45件で最多を占め、それぞれ25%、19%となっており、また、野良犬・野良猫による被害が7件あった。このほかに、防鳥網及び漁網の設置、ネズミ捕り用の粘着シートの設置も鳥類の命を脅かす大きな要因の1つとなっている。傷ついた野鳥の保護を通じて、多くの人が野鳥の習性について知り、環境問題に注目することで、ますます保護が進むことが期待される。