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金門国立公園は、11月27日と28日、音楽によって命の尊さを考え、世界に希望の光を届けるため、「2021年金門坑道音楽祭」を開催

日付
2021-11-29

11月27日と28日、2021年金門坑道音楽祭が翟山坑道で開催されました。戦争遺跡で開催される特別な音楽祭に参加するため、多くの音楽ファンが海を越えてやってきました。2日間で全6公演が行われ、1公演あたり約200名、合計1,200名余りの聴衆が会場で聴き入りました。そのうち、台湾の聴衆が約7割を占め、金門の観光収入増加に大きく貢献し、金門の最も有名な音楽イベントとなりました。

今年の坑道音楽祭の二大テーマは「平和の渇望」と「希望の光」であり、音楽によって命の尊さを考え、世界に希望の光を届けたいとの思いを表現したものです。クリエイティブ・ディレクターを務めたチェリストの張正傑氏は、「新型コロナウイルスの感染拡大が1年以上続いたことによって、世界中に甚大な影響が及びました。また、未知のものへの恐怖によって、命に対しても、様々な思いを巡らすようになり、平和と健康の重要性を痛切に感じるようになりました。そこで、著名な詩人である向陽氏、ソプラノ歌手の黄莉錦氏、台湾のオーボエ首席奏者である謝宛臻氏を特別ゲストとしてお招きし、室内楽曲集から弦外の音を聴こうと、著名なバイオリニストの李宜錦氏と張芝庭氏、ビオラ奏者の徐暁虹博士に演奏に加わっていただきました」と話されました。

翟山坑道という天然のコンサートホールでは、歌声と音符がつかり合う中、幕が開きました。バックに詩の情感を表現した音楽が流れる中、向陽氏が自ら豊かな感性で本土の情感を詠いあげた「阿爹的飯包(父のお弁当)」と新型コロナウイルスの感染拡大の中で書き下ろした新作詩「告別」を朗読し、詩と音楽があたかも対話するかのようで、聴衆は、今まで感じたことがない心の震えを覚えました。最初に登場したソプラノ歌手の黄莉錦がドラマチックに張りのある美しい歌声を披露し、「椿姫」等の古典が歌われると、歌声が坑道中に響きわたり、幾重にも重なった色彩のある歌声が満ち溢れました。

二日目は、哀愁漂う音色のオーボエを加えた古典的スタイルの弦楽四重奏が演奏されました。音の抑揚が様々に変化し、楽団を引き立てる演奏効果も加わる中、モーツァルトの「オーボエ四重奏」が演奏されると、聴衆は、全く異なる聴覚的空間へと誘われました。今年の演奏の舞台は、新進気鋭のフラワーアレンジメントデザイナーである栄孝洋が特別にデザインしたものであり、舞台空間が華麗なフラワーアレンジメントによって飾られ、優美で温かい雰囲気が醸し出されました。

新型コロナウイルスの感染拡大により、全世界が極めて大きな試練に直面したため、今回の音楽祭は、特に「平和の渇望」と「希望の光」を中心として構想されました。クリエイティブ・ディレクターを務めたチェリストの張正傑氏は、「起伏ある音楽によって希望を喚起し、人々に平和の尊さを気づかせたいと考えました。そして、戦争遺跡である坑道の中で演奏し、柔軟で感性豊かな音楽の演奏によって、美しく平和な世の中に向かうことを祈念しました」と述べられました。



「椿姫」等の古典を歌うソプラノ歌手の黄莉錦氏
「椿姫」等の古典を歌うソプラノ歌手の黄莉錦氏

新型コロナウイルスの感染拡大の中で書き下ろした新作詩「告別」を朗読する向陽先生
新型コロナウイルスの感染拡大の中で書き下ろした新作詩「告別」を朗読する向陽先生