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慈湖の湿地の生態系を維持するため、金門国立公園管理処では不法に設置された漁網の撤去作業を実施しています。

日付
2022-04-22

国家級の重要な湿地である慈湖は、魚・エビ等の水生生物が豊富で、餌を求める水鳥も集まってきます。しかし、金門慈湖の大切な湿地に無断で漁網を置き、湿地にいるエビやカニ、稚魚を違法に捕っています。金門国立公園管理処では、慈湖の水産資源の捕りすぎを防止し、生態資源の永続性を保つため、内政部警政署保安警察第7総隊第4大隊金門国立公園警察分隊と共同で漁網の不法設置の取締を実施しています。

金門は地理的に東アジアの鳥類の移動ルート上に位置しています。渡り鳥は移動の途中に湿地で休息し、餌をとる必要があります。慈湖の湿地は渡り鳥にとって最適な休息地であり、渡り鳥はここで越冬します。慈湖周辺は養殖場が多く、水道が縦横に交錯しています。また、双鯉湖から慈湖にかけてカワウソがよく現れ、この辺りはカワウソが主な生息地になっています。もし、水生生物を取りすぎる等、の生態系を壊す行為をすると、湖の生態資源を枯渇し、慈湖の湿地を住処とする生物の生存が脅かされ、湿地の食物連鎖のバランスが崩れます。また、みだりに漁網を設置すると、鳥類、その他の動物の生息を妨害することになり、野生動物が漁網に絡まってけがをする恐れもあります。

慈湖の湿地は国立公園特別景観区に位置します。『国立公園法』第13条第2項で「動物の狩猟または魚類の捕獲を禁じる」と規定され、慈湖に漁網を設置すること、慈湖で魚類を不法捕獲することは違法となるため、慈湖の不法に設置された漁網を撤去することとなりました。金門国立公園管理処は、自然の生態系を守るためには皆の協力が必要だと言います。長期間にわたり、一部の人が慈湖に箱形の網を連ねたものや刺し網等を無断で仕掛け、湿地内のエビやカニ、魚類を違法に捕獲しているとのことで、管理処は、決まりを守り、貴重な湿地の生態系を一緒に守ってほしいと人々に呼びかけています。