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『金門ウミウシ』新書には169種のウミウシが記録され、多くの調査の成果が収められています。

日付
2022-01-18

金門国立公園管理処の委託で、「金門県戦地史跡学会」の洪清漳先生と黄秀婷女史が2年におよぶ徹底調査・撮影・記述をしてくださり、『金門ウミウシ』が完成しました。1月18日午前に中山林ツーリストセンターにて新書発表会を開き、作者を招いてウミウシの調査と撮影の過程とその成果を語っていただいたところ、金門の生態系に関心を寄せる人々が大勢来場されました。

金門国立公園管理処の楊副処長によれば、2年におよぶ調査により、多くの成果が得られ、合計6目34科169種のウミウシを記録するに至ったということです。このうち、台湾と同種のものが30種あり、台湾で新しく記録された種が55種、このほかに84種が未知種と確認されました。本書では、美しいウミウシの生態を写した写真にわかりやすい解説が添えられ、ウミウシの種類・生息地・生態・習性等が紹介されています。カラフルなウミウシの世界に対する理解が深まる本書は、海洋の生態を知るための教材にもなります。

作者の洪清漳先生によれば、ウミウシは生息分布範囲は広く、砂浜・干潟・河口の沼地・塩湖・湖・低潮帯の岩礁や礫石のある環境に生息しているとのことです。形態やサイズの変化が大きく、1mmのものから数百mmのものまでいて、非常にカラフルで美しいのが特徴です。過去の調査文献では金門海域の裸鰓類ウミウシの種の多様性が過小評価されていましたが、その原因は「3つの困難」にあります。1つ目はウミウシの観察の難しさ、2つ目は種の鑑定の難しさ、3つ目の課題は対応する種の中文名称です。『金門ウミウシ』の出版によって金門の潮間帯の調査が前進し、より多くの方が金門の潮間帯の調査に長期的に取り組まれることが期待されますし、また、そうなれば多くの種が発見されることでしょう。