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金門国立公園管理処主催の「2022年金門坑道音楽祭」が開催されました。テーマは「音楽を通じて世界の幸福を祈る」です。

日付
2022-10-15

2022年金門坑道音楽祭が10月15日から16日にかけて翟山坑道で開催され、戦地の特色あふれるコンサートに多くの音楽ファンが海を越えて集まりました。2日で合計7ラウンド開催、各ラウンドの入場者数は200人、合計1400人が訪れ、金門の観光・レクリエーションを盛り上げてくださいました。同音楽祭は今や金門の最も代表的な音楽イベントになっています。

今年の坑道音楽祭では、芸術総監督を務められたチェロ奏者の張正傑氏、京劇の大家朱陸豪氏、メゾソプラノ歌手の翁若珮氏、琵琶奏者の陳佳容氏、バイオリンの大家蘇顕達氏、許淑婷氏、国家交響楽団ビオラ首席奏者の黄瑞儀氏等一流の音楽家をお招きしました。素晴らしいコラボレーションが実現し、音楽を通じて深く思いを巡らせるよい機会になりました。

翟山坑道という天然の音楽ホールで開催された音楽祭、1日目は人の声と音符のぶつかり合いから始まりました。京劇の大家大師朱陸豪氏による『覇王別記』の中の『垓下の歌』、崑曲の『挑滑車』等は圧巻で、西楚の覇王項羽の心境が見事に表現されていました。弦楽でリニューアルされた編曲により、伝統の枠を超えた、中国と西洋の要素が融合した新しい京劇が生まれ、聞く人は心を震わされました。また、『カルメン』等の名曲を歌ったメゾソプラノ歌手の翁若珮氏の迫力ある美声は、坑道の中で何層にも響き、幻想的な色彩が感じられました。朱陸豪先生の『垓下の歌』を受け、2日目のセッションでは琵琶奏者の陳佳容氏をお招きし、琵琶の名曲『十面埋伏』を演奏していただきました。楚と漢の戦い等、有名な歴史的シーンが躍動感のある音楽で再現されるという、他にはない素晴らしいパフォーマンスでした。

昨今のコロナ禍や世界情勢は、人類にとって極めて大きな試練だと言えます。このような時代だからこそ、音楽によって希望を喚起し、世界の幸福を祈る意味があります。優しく心に訴えかける音楽を通じて戦争史跡の保存・活性化・再活用について広く知ってもらい、より良い未来を心に描いてもらいたいものです。